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2025.11.13 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座08】多ければいいってもんじゃない?画素数のハナシ〜高画素機編〜 こんにちは。 前回は比較的画素数が少ない低画素機を紹介しましたが、今回は高画素機について紹介いたします。 なお、ここで言う高画素機とは、概ね4000万画素以上の機種について述べることとします。 高画素機で撮るメリット・デメリット メリットその1:トリミングに有利 高画素機の特徴として、トリミングに有利なことが挙げられます。 (Canon EOS R5 Mark II + RF100-500mm F4-7.1L IS USM 1/800秒 F7.1 ISO250 Pモード) こちらの飛行機が離陸するシーンの作例はEOS R5 MarkII(約4500万画素)で撮影しました。 早朝ということもあり、ISO感度を上げたくなかったのでテレコンを使用せず、トリミングして約700-800mm相当に拡大しましたが、大きくトリミング(1.4〜1.5倍)しても粗が見えないどころか余裕があることがわかります。 同じく望遠域を使う野鳥撮影などでも重要になってくるポイントです。 メリットその2:ディテールが残る (Nikon Z8 + Z 70-200mm f/2.8 VR S 1/100秒 F16 ISO250 Aモード) こちらの写真はZ8(約4600万画素)で撮影しました。 なんの変哲もない早朝の露がついた葉っぱを撮った風景写真ですが、ピントが合った葉の水滴から、葉脈、手前のボケ、玉ボケも含めた奥のボケまで、ディテールが豊富なことがお分かり頂けるかと思います。 こうした繊細な描写が楽しめるのは、高画素機ならではの魅力です。 デメリットその1:データが重い 画素数が多くなることで、どうしても画像データが重くなってしまいます。 RAWで保存する場合、圧縮方法によっても変わりますが、R5II(約4500万画素)で1枚25〜40MB、Z7II(約4600万画素)で1枚50〜60MBほどになります。 筆者は以前GFX100II(約1億200万画素)で撮影した経験がありますが、JPEGであっても1枚65MBを超えるサイズでした。 例えばZ7IIで年間2万枚撮影するとなると、60MB×20000枚 = 年間1.2TBとなります。 データが重くなる分、ストレージへの追加投資も必要になるのは避けられません。 参考までに、筆者は4TBのHDD1台+バックアップ1台で運用していたのですが、容量が逼迫してきたため今年の頭に6TBのHDDを追加購入しました。 デメリットその2:高感度に弱い あくまで低画素機と比較したシチュエーションですが、若干高感度に弱いです。 カタログスペックでの比較となりますが、ニコンのZ6III(約2400万画素)が常用ISO100-64000、拡張で204800相当まで対応しているのに対し、Z8/Z9(約4600万画素)は常用ISO64-25600、拡張でも102400と、常用では1.3段、拡張では1段低いことがわかります。 このことから、暗所をメインに撮影される方の場合、低画素機の方がよりニーズを満たせる可能性があります。 低画素機が有利なシチュエーション 1. 風景写真 風景写真はディテールが求められます。 先ほどの水滴がついた葉の写真もそうですが、自然風景の細かなディテールを作品に落とし込むためには、4000万〜5000万画素あった方が立体感を演出できます。 風景写真家の方々が高画素機やGFXのようなラージフォーマット機に傾倒するのもうなづけるのではないでしょうか。 (Nikon Z8 + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 1/50秒 F2.8 ISO200 Pモード) 2. 飛行機写真・野鳥写真 飛行機写真や野鳥写真は望遠レンズがよく使われるシチュエーションです。 特に野鳥の場合、被写体自身がとても小さいこともあるので、約400-600mmの望遠レンズ+テレコン+トリミングという組み合わせで撮られることが多いです。 (Canon EOS R5 Mark II + RF100-500mm F4-7.1L IS USM + Extender RF2x 1/500秒 F18 ISO12800 Avモード) 例えばこのワカケホンセイインコ(70年代から日本に流入した外来種です)の写真ですが、RF100-500mmに2倍テレコンを装着し、1000mm相当で撮影しましたが、それでも足りないのがわかるのではないでしょうか。 こういうシチュエーションでは、高画素機の強みが活かせると言えるでしょう。 まとめ 2回の連載を通じて、低画素機と高画素機の持つそれぞれのメリット・デメリットを紹介させていただきました。 結論としては、 ・低画素機:夜景・ポートレート ・高画素機:風景写真・飛行機・野鳥写真 での使用がオススメです。 今後の機材選びの一助になれば幸いです。 -
2025.11.06 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座07】多ければいいってもんじゃない?画素数のハナシ〜低画素機編〜 こんにちは。 カメラ好きの間でよく言われる言説に、「高画素機の方が写りが良い」というものがあります。 しかしながら、それは本当なのでしょうか? では、こちらの2枚の写真をご覧ください。 (1/320秒 F9.0 ISO100) (1/60秒 F9.0 ISO125) こちらの2枚の写真は、画素数に倍以上の違いがあるNikon Zf(2528万画素)とSONY α7CR(約6250万画素)で撮影したものですが、見てどちらがどちらかわかる方はあまりいないのではないでしょうか。 正解は上の並木がZfで、下の銀杏がα7CRです。 今回の記事では低画素機に焦点を当て、メリット・デメリットについてまとめた上で、どのような用途に適しているのか解説していきます。 低画素機で撮るメリット・デメリット メリットその1:高感度に強い 低画素機は1画素あたりの面積、すなわち光を取り入れる面積が広いので、相対的に高感度に強いと言えます。 例えばこちらの写真。 (Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 1/160秒 F5.6 ISO40000 Mモード) Nikon Z6IIIで撮影したものです。 ISO40000で撮影していますが、ディテールの破綻があまり見られません。 Z6IIIは約2400万画素の低画素機ですが、常用ISO感度がISO100-64000、拡張でISO50-204800相当まで使用することができます。 普通に撮影する分にはISO6400を超えることはあまりないかと思いますが、いざというときに高感度も使えるのは心強いですし、夜の撮影も積極的にこなしたいと思えるようになるのではないでしょうか。 メリットその2:ファイルサイズが小さいので扱いやすい 画素数が少ないということは、ファイル内の情報量も少ないということになります。ということはファイルサイズが軽くなります。 参考までに、先ほどご紹介した電車の画像はJPEG・FINEで撮影しましたが、ファイルサイズは11.2MBとなりました。 (Nikon Z6III + NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR 1/1600秒 F5.6 ISO400 Sモード) こちらの写真もZ6III(約2400万画素)で撮影しましたが、元画像のRAWファイルであっても16.1MBにとどまりました。 2000〜3000万画素程度の機種であれば、RAWであっても20MBは超えないといったレベルになります。 仮に年間20000枚撮影したとしても、最大20MB x 20000枚であれば年間の写真のデータ量は400000MB = 400GB = 0.4TBにとどまります。 加えて、1枚あたりのファイルサイズが軽いので、現像ソフトなどのソフトウェアの処理にあまり時間がかからないのも魅力です。 速度が速いSDカードや容量が大きいSSD・HDD、優れた性能を持つGPUや大容量メモリのパソコンでなくとも、気軽にたくさん撮れるのは低画素機のメリットと言えるでしょう。 ちなみに筆者は現在Nikon Zfを愛用しながらスナップや風景写真を撮影しているのですが、画素数の低さからくるデータの軽さはとても扱いやすいと感じています。 デメリットその1:大判印刷に向かない 画素数が少ないということは、インチあたりのドット数(dpi)も少なくなります。よって必然的に大判印刷には向きません。 A3・A2程度でしたら全く問題ないのですが、広告写真などの分野となるとA1・A0といったサイズで印刷する機会も多くなります。 そういったシチュエーションでは、低画素機の画素数の少なさがネックとなってしまいます。 ただ、アマチュアでそこまで大判印刷する機会もあまりないかもしれません。 デメリットその2:トリミング耐性が低い 上記で大判印刷に向かないという話をしましたが、それに関連して、トリミング耐性が低いという問題もあります。 例として、ニコンのミドルクラスフルサイズミラーレスのZ6IIIで例えてみましょう。 焦点距離1.5倍のDXクロップ(APS-C相当)で撮影した場合、画素数は約2400万画素から約1060万画素まで落ちます。 1060万画素だと、SNSやブログなどのWebにアップするには向いているかもしれませんが、大判印刷には少々難があるように思います。 サイズ的にはA3・A2が限度といったところでしょうか。 低画素機が有利なシチュエーション 1. 星景写真 星景写真は暗所で長時間露光を行い、比較的ノイズが出やすいことから、高感度に強い低画素機のメリットが活きます。 (Nikon D4S + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8 20秒 F2.5 ISO3200 Mモード Lightroom Classicにて現像済み) こちらの天の川の写真は以前筆者が所有していたNikon D4S(約1600万画素)で撮影しましたが、ノイズがさほど目立ちません。 実際、SONY α7SIIIのような高感度に特化した機材がよく使われるジャンルでもあります。 2. ポートレート ポートレートでは、低画素機の魅力を最大限活用できるといっても過言ではありません。 画素数の少なさは程よいディテールに直結します。モデルさん・被写体さんの中には、毛穴や肌荒れなどを気にして肌のディテールが写りすぎることを好まれない方も多くいらっしゃるので、低画素機はまさにうってつけです。 まとめ 「画素数が低い = 高画素機に比べて劣る」といった先入観を持たれる方も多いかと思われます。でも、実はそうとは限りません。 実際には用途に合わせて使い分けることで、それぞれのカメラの持つメリットを最大限に活かすことができます。 次回は高画素機の持つメリット・デメリットをご紹介できればと思います。お楽しみに。 -
2025.10.26 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座06】時間を操ろう〜タイムラプス撮り方 完全ガイド〜 こんにちは。 普段スチルが専門の筆者ですが、ひょんなことからタイムラプスに興味を持ちました。 意外と簡単に撮影できるタイムラプス。写真を撮る延長線上で撮ることができるので、ぜひ挑戦してみていただきたいです。 タイムラプスとは? タイムラプスとは、低速度撮影とも呼ばれ、一定時間撮影した静止画をつなぎ合わせて動画にする手法を指します。 長時間露光同様、人間の目には見ることのできない風景を動画に収めることができるのが大きな特徴です。 タイムラプスにおすすめの被写体 タイムラプスにおすすめの被写体としては、以下が挙げられます。 1. 動きがあるもの 2. 明暗差があるもの 3. 時間で変化するもの 例えば、タイムラプスの王道として挙げられるのが朝日や夕日ですが、これは2と3に当てはまるように思います。天の川などの天体や星空などの動きは全てに当てはまります。 電車や車の光跡をタイムラプスに収めた動画をよく見かけますが、これは1と2に当てはまります。 逆に、1〜3のどれにも当てはまらない被写体はタイムラプスにするには少し難易度が高いように思います。 タイムラプスを実際に撮るには 今回は筆者の私物であるNikon Zfを元に説明します。Zシリーズ以降のニコン製カメラであれば概ね同じです。 まず「静止画撮影メニュー(緑のカメラマーク)」から「インターバルタイマー撮影」を選びます。 「タイムラプス動画」ではないのは、タイムラプスの過程を写真に残すためです。「インターバル撮影」を選ぶことによって、写真を複数枚撮影すると同時にタイムラプス動画が生成される、と言った方がわかりやすいかもしれません。 続いて、項目を設定します。 ⚫︎「開始日時の設定」 「即時」がオススメです。 ⚫︎「撮影間隔」 どの程度の速さで撮影するかという指標になります。タイムラプスを撮る上ではこの数値が一番重要になってきます。短くすればするほど動きがゆっくりになりますし、長くすればするほど動きが速くなります。 例えば、生成される動画を30fpsにした場合、撮影間隔を2秒にすれば2秒×30fpsなので60倍速になります。15秒にすれば15×30fpsで450倍速になります。 ⚫︎「撮影回数×1回のコマ数」 タイムラプスを撮るという用途には1回1コマが適しています。撮影回数はそのまま動画の長さに直結します。 ・「撮影回数 × 撮影間隔 = 撮影時間」 ・「撮影回数 ÷ フレームレート = 出来上がりの動画の長さ」 ⚫︎「露出平滑化」 オンにしておくと、明暗差が大きい場面などで自動露出にした際に露出が狂うことなく調整されます。 ⚫︎「電子シャッター設定」 振動がない電子シャッターをオススメしますが、撮っていることがはっきりわかるようにしたい場合はメカニカルシャッターがいいかと思われます。 ⚫︎「撮影間隔優先」 長秒露光などをする際に、シャッタースピードが撮影間隔より長い際に撮影間隔を優先するかどうかを選ぶことができる項目です。 ⚫︎「撮影間隔毎のAF駆動」 オフの方がオススメです。というのも、風景をマニュアルで撮る場合はあまり関係ないのですが、AF設定によっては予期しない場所にピントが合ってしまう可能性があるからです。 ⚫︎「オプション」 「タイムラプス動画」を選択したあとファイル形式や画像サイズ・フレームレート、保存先を設定することができます。 ここで設定を忘れていると正しく動画が記録されません。 ⚫︎「撮影開始時の記録フォルダー」 生成される画像が新しいフォルダー(例:「102NCZ_F」などの「DCIM」直下に生成されるフォルダー)に保存されるようにしたい場合に確認してください。 設定できたら、あとは「撮影開始」を押すだけ…なのですが、動画は基本的に16:9でしか生成されないので、3:2で写真を撮影している場合、動画は上下がクロップされてしまいます。構図をよく確認してから撮影することをオススメします。 構図が確認できたら「撮影開始」を押して、動画が出来上がるのを待ちましょう。 タイムラプスを撮ってみよう 実際に撮ってみたものをご紹介します。 どんなシチュエーションで撮ることができるか分かり易いように、3つのシチュエーションで撮影してみました。 1本目は桜のシーズンに撮影しました。 構図違いで複数収録し、合計450枚撮影しました。15秒の動画になりました。 3秒間隔で撮影したので、合計で22分30秒かかっています。 通りを行き交う車の光跡のダイナミックさ、桜の動きを意識しながら撮影しました。 .youtube { position: relative; width: 80%; /* 表示したい幅を指定 */ margin: 0 auto; /* コンテナ全体を中央寄せにする */ padding-top: 45%; /* 横幅80%に対して縦横比16:9を維持(80% × 56.25% = 45%) */ } .youtube iframe { position: absolute; top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; } 2本目は川崎の工場地帯で撮影しました。 夕焼けのシーンは30分かけて600枚撮影し、煙が出る工場のシーンは15分かけて300枚撮影しました。夕焼けのシーンは3秒間隔、工場のシーンは2秒間隔で撮影しています。 夕焼けのシーンはマジックアワーの空の色の移り変わりと首都高速の車の動き、工場のシーンは煙の動きが可視化されています。 .youtube { position: relative; width: 80%; /* 表示したい幅を指定 */ margin: 0 auto; /* コンテナ全体を中央寄せにする */ padding-top: 45%; /* 横幅80%に対して縦横比16:9を維持(80% × 56.25% = 45%) */ } .youtube iframe { position: absolute; top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; } 3本目は冬の嬬恋村にて、空に昇る天の川を撮影しました。 15秒間隔で1時間15分間、合計300枚撮影し、10秒にまとめました。 .youtube { position: relative; width: 80%; /* 表示したい幅を指定 */ margin: 0 auto; /* コンテナ全体を中央寄せにする */ padding-top: 45%; /* 横幅80%に対して縦横比16:9を維持(80% × 56.25% = 45%) */ } .youtube iframe { position: absolute; top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; } 日周運動と夜明けが近づくにつれて明るくなるのがわかりやすいかと思います。最後の方で急に明るくなっていますが、これは除雪車の光です(幸か不幸かそこで収録は終わっています)。 まとめ 以上、筆者のタイムラプスの撮り方をご紹介しました。あくまで一例に過ぎませんし、タイムラプスに正解はないので、撮影間隔やシャッタースピードなど、色々試しながら撮影を楽しんでみるのが一番だと思います。 スチルでは記録できない長時間の移り変わりを、タイムラプスの撮影でぜひ楽しんでいただきたいです。 -
2025.10.19 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座05】小さな世界を大きく魅せよう 〜マクロ撮影のコツ〜 こんにちは。 今回はマクロレンズを活用した撮影のコツをご紹介します。 マクロ撮影とは、被写体に非常に接近して撮影をする技法を指します。肉眼では見ることが難しい小さな世界を大きく写してくれるのがマクロ撮影です。 マクロレンズとは マクロレンズとは、マクロ撮影に特化するように作られたレンズを指します。 指標としては、概ね撮影倍率(センサーサイズに対する被写体の大きさの倍率)が約1倍になるものがマクロレンズと呼ばれます。 メーカーによっては、マイクロレンズと呼ばれることもあります(例:Nikon)。 マクロ撮影に特化しているからといって、遠景が撮れないというわけでもありません。 遠景から近景までマルチに使えるレンズでもあります。 今回はNikon Zマウントの「 NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 」を試しました。 (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/50秒 F2.8 ISO100) マクロ撮影からスナップ、テーブルフォトまで幅広い シーンで活躍する小型軽量の高性能マイクロレンズ。 最短撮影距離が0.16mと極めて短く、被写体に 約5cmまで近づいて等倍のマクロ撮影が可能。 マクロレンズでどんなものが撮れるのか? マクロ撮影は風景写真、とりわけ植物や虫といった自然風景を肉眼よりも拡大して見せるのに適しています。 では、この写真をご覧ください。 1枚目は撮影倍率0.5倍で撮影しました。 2枚目は0.7倍で、3枚目は撮影倍率1倍で撮影しました。 (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/50秒 F4.5 ISO200 Aモード) (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/50秒 F5.0 ISO320 Aモード) (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/50秒 F5.3 ISO360 Aモード) 真ん中の花を入れる構図で撮っていますが、被写体にここまで寄って撮ることができるのが魅力です。 今回は紫陽花で有名な高幡不動尊の山あじさいを撮影しました。まだ咲きかけといったところでしたが、雨上がりということもあり魅力的に撮影することができました。 クモの巣 クモの巣もクローズアップで撮ると面白い被写体の一つです。 (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/60秒 F5.6 ISO800 Aモード) (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/50秒 F4.5 ISO3200 Aモード) 特に1枚目、中心付近を拡大してもらうとよくわかるのですが、綺麗に丸くなった水滴に手前の葉っぱが逆向きに反射しているという不思議な表現を見ることができました。 普通に撮っていると見落としてしまうところに気づかせてくれるのもマクロレンズの面白みだと思います。 その他の植物 紅葉していないからといって、モミジが美しくないわけではありません。新緑の青モミジも瑞々しくて、とても美しいです。 2枚目は前ボケが入るように少し寄り目に撮影しました。 (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/3.3 1/50秒 F3.3 ISO450 Aモード) (Nikon Zf + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 1/50秒 F5.3 ISO1000 Aモード) マクロ撮影を行う上での注意点 一つはブレに非常に弱いこと、もう一つは被写界深度が浅くなってしまうことがデメリットです。 そのため、ブレないように・かつ被写界深度を深くしながら露出を確保しようとすると、必然的にISOを上げるか三脚に据えて撮影することになります。 しかしながら、マクロレンズが本領を発揮する植物園などでは三脚が使用不可のところも多いです。マクロレンズを装着したカメラを三脚に据えて撮影したいという場合は、三脚の使用可否を事前に確認しておきましょう。 また、無闇に拡大して撮っても何が写っているかわからなくなってしまうことがあります。被写体に寄るさじ加減は構図やピントを考慮した上で、撮り手に委ねられるところが大きいでしょう。 まとめ 簡単にではありますが、マクロレンズを使ったマクロ撮影を試した様子を今回はご紹介しました。 マップレンタルのマクロレンズで、ぜひお気軽にマクロ撮影を楽しんでみてください。 ◆マクロレンズのレンタルは【こちら】から -
2025.10.09 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座04】この夏は魅力的に星空を撮ってみませんか?〜実践編〜 こんにちは。 前回はロケーション編と題して、ロケーション探しのコツやおすすめの場所を紹介しました。 今回は実際に撮影を試してみましょう。 4月上旬に日光・戦場ヶ原で撮影を行った様子を振り返りながら、星空の撮り方を一つ一つ説明できればと思います。 使用した機材 使用した機材を紹介します。撮影は2台で行いました。 Nikon Z9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S 広角で星空と風景を合わせた写真を撮る目的で持ち出しました。当日は東京から車で向かったので、持ち運ぶことをあまり考えなくてもいい、少し重め・大きめの構成でチャレンジしてみました。 SONY α7SIII + FE 35mm F1.4 GM やや標準気味に、天の川だけを強調して写す目的で持ち出しました。また、焦点距離が伸びることによって露光時間が確保できない(後述)ので、高感度に強いα7SIIIを試してみました。 撮り方のハウツー では、撮り方をピント合わせ・構図・露出に分けて一つ一つ紹介していきます。 1.ピント合わせ ピント合わせはマニュアルで行います。星空は暗すぎてオートフォーカスではピントが合わないのがその理由です。 ピント合わせにも少しコツがあります。 まずライブビューにしてから明るい星を拡大し、ピントリングを無限遠に回してから少し手前側に回し、星が一番小さくなったところで止めます。そうすることにより、星がピンボケになることなく写すことができます。 2.構図 縦構図か横構図かは、写したい星や天の川、星座に合わせて変えます。 星空の手前に地上の風景があると、星空の雄大さがより強調された写真を撮ることができます。 3.露出 撮影するモードはマニュアル(M)が有用です。シャッタースピードは暗い夜空ですので必然的に長めになってきます。 今まで知られてきた手法としては「500ルール」というものがあり、「500 ÷ レンズの焦点距離 = シャッタースピード」という式です。 ただ、地球から見ると星も低速ではありますが動いています。よって最近の高画素機だと星が線になって写ってしまうこともあるので(これは撮影してから気が付きました)、14mmなら20秒、20mmなら13秒、24mmなら10秒くらいで撮影するのがオススメです。 絞りは開放で撮影するか、周辺画質が気になる場合は1段程度絞ってみてもいいと思います。 ISO感度は現地の光の具合に応じて調節するのがオススメです。 筆者の場合は3200を基本に、暗くしたい際は1600程度、明るくしたい際は6400程度にまで上げています。8000以上に上げることは滅多にありません。 その他 撮影後の処理に時間がかかってしまうので、長時間ノイズ低減はあまりオススメしません。後から現像時に調節するのがいいでしょう。 ホワイトバランスや色味、ノイズ低減といった現像の際の利便性のために、JPEGではなくRAWで記録することをオススメします。 実際に撮ってみると… (Nikon Z9 + Z 14-24mm f/2.8S SS30秒 F2.8 ISO3200 WB4050K Mモード) 実際に撮影したものがこちらです。NEFファイルをそのままLightroom Classicで出力しました。 工夫した点としては、明るく写るようにSSを少し長めに、天の川と山を絡めて撮るように横構図かつ空を広めにしました。 南東向きなので宇都宮方面の光害が少し気になりますが、撮って出しでもここまで撮ることができます。 ホワイトバランス・コントラスト・シャドウ・白レベル・明瞭度・かすみの除去をLightroom Classicで調整しました。 天の川がよりくっきり見え、市街地の光害が少し軽減され、背後の男体山と木橋、雪が残った地面の質感がよりわかりやすくなっています。 別アングルで撮影した写真も紹介します。 (SONY α7SIII + FE 35mm F1.4 GM SS8秒 F1.4 ISO2000 WB4750K Mモード ソフトフィルター・光害カットフィルター装着) 天の川を大写しにしたかったので、35mm単焦点で撮影しました。 こちらが現像したものです。 メーカーごとの色のクセでしょうか、少し青めに写っているのがわかるかと思います。 空の青さは個人の好みによるところもあるかと思いますので、適宜後から現像するのがオススメです。 筆者は赤道儀を持っておらず、1枚撮りが基本となるのでこのような撮り方をよく行っています まとめ アウトドアシーズンの夏が近づくにつれて、星空撮影にチャレンジしてみたいという方に向けて機材編・ロケーション編・実践編と3回に分けてオススメさせていただきました。 これを機にぜひマップレンタルの機材とともに、星空撮影をお試しください! ◆今回の撮影で使用した機材は【こちら】からご注文いただけます! ◆オススメの機材は下記リンクから! 【中級者向けカメラ講座02】この夏は魅力的に星空を撮ってみませんか?~機材編~ -
2025.10.02 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座03】この夏は魅力的に星空を撮ってみませんか?~ロケーション編~ こんにちは。 前回に引き続き、今回はロケーション編と称して、東京近郊の星空撮影に適したロケーションを紹介しつつ、新たに撮影地を開拓したいという方にオススメの撮影地の探し方をご紹介します。 撮影地探しのコツ 撮影地探しのコツとしては、 ①光害が少ない ②標高が高い ③空が開けている ④天候が優れている という条件が大事になってきます。 ① 光害が少ない 撮りたいロケーションの光害の具合は、【Light Pollution Map】から確認できます。 東京から少し離れるだけで、黄色〜緑(赤、白に行くほど光害がひどい)の撮影地に巡り合うことができます。東京都心では星空観測すら難しいですが、光害レベルが黄色〜緑になってくるだけでもだいぶ違います。筆者は東京近辺の山梨、千葉、群馬といったところに撮影に行くことが多いのですが、それらの地点も黄色〜緑ですが、そこそこのクォリティのものは撮影できます。 ② 標高が高い 標高が高いほど空が澄んでいることから、星空観察・撮影にはうってつけの環境となります。 そのことから、必然的に高原や山の上、展望台といったところが好まれます。 ③ 空が開けている 空を撮る都合上、空が開けていなければいけません。 前述したように、空が開けているためには、高いところで撮る、遮るものが少ないところで撮る、といったところが重要になってきます。 前述しましたが、高原や山の上、展望台といったところはうってつけなのではないでしょうか。 ④ 天候が優れている 天候が優れていなければ、ロケーションが良くても何も撮れません。 天候を調べるのにおすすめなアプリ・サイトを2つ紹介します。 1.【SCW】 SCWはスーパーコンピューターで予想したモデルを用いる天気予報です。パソコンからでもスマホからでもアクセスできます。 見方としては、右側の「太陽と雲」のアイコンを選択することで、雲の状況をわかりやすく見ることができます。白が濃いほど雲が厚く、黒が濃いほど晴れているという仕組みになります。色がついている箇所は雨雲です。 ちなみに筆者は有料会員(月308円)を契約し、より詳細な天気予報を確認できるようにしています。かれこれ2年ほど愛用していますが、外れたことがほとんどない優秀な天気予報サイトです。 2.【Windy】 Windyは天気を確認することができるスマホアプリです。とある写真家のセミナーに参加した際に教えていただいたものです。 アプリを開いてから右の3本線メニューをタップし、「雲」を選択すると、どの程度雲が被っているかがわかります。少し慣れるのに時間がかかりますが、黄色が濃いほど雲が少なく、白色が濃いほど雲が多いです。 また、スクショを記録した日は小雨が降っていたので、青のメッシュに覆われていました。 オススメ撮影地 では、筆者がオススメする撮影地をいくつかご紹介します。 1. 【 第二五之町踏切(千葉県いすみ市)】 (Nikon Zf + Z 20mm f/1.8S SS13秒 F1.8 ISO3200 Mモード Lightroom Classicで現像済み) 光害の少なさ:★★★☆☆ 標高の高さ:★☆☆☆☆ 空の開き具合:★★★☆☆ 便利さ:★★★★★(近くにコンビニあり) アクセスのしやすさ:★★★★★(圏央道 市原鶴舞ICから約17km) 総合オススメ度:★★★★☆ オススメシーズン:7月〜9月 いすみ鉄道の踏切と組み合わせた構図を楽しめるのがこの「第二五之町踏切」です。集落が近くにあることからやや光害があるのは否めないものの、星や天の川を撮るのには十分な暗さです。 いすみ鉄道が脱線事故の影響で長期運休しているので、星空と列車を絡めた構図はしばらくは撮影することはできませんが、踏切と星空という組み合わせは趣があるものと言えるでしょう。 高速のインターチェンジから比較的近いのも魅力ではないでしょうか? 2. 【 八幡岬公園(千葉県勝浦市)】 光害の少なさ:★★★☆☆ 標高の高さ:★☆☆☆☆ 空の開き具合:★★★★☆ 便利さ:★★★★☆(公園内にトイレあり) アクセスのしやすさ:★★★★☆(圏央道 市原鶴舞ICから約33km) 総合オススメ度:★★★★☆ オススメシーズン:7月〜9月 第二五之町踏切に続いて、千葉県からご紹介するのがこちらの「八幡岬公園」です。 勝浦市に所在するこちらは、アクセスの良さもさることながら、東・西・南の三面が海に面しているので海の方角の星が綺麗に見られるという特徴があります。 東屋と海を交えた景色が撮れるのもオススメポイントです。 3. 【 稲取細野高原(静岡県東伊豆町)】 光害の少なさ:★★★★☆ 標高の高さ:★★★☆☆ 空の開き具合:★★★★☆ 便利さ:★★★★☆(公園内にトイレあり) アクセスのしやすさ:★☆☆☆☆(小田原厚木道路 小田原西ICから80km) 総合オススメ度:★★★★☆ オススメシーズン:7月〜9月 少し東京からは離れてしまいますが、東伊豆の稲取細野高原を紹介します。 当地は車でもアクセスしやすく、近隣にキャンプ場もある立地ですが、光害が少ないという好立地の割に何より人が少ないのが魅力的です。2024年8月にペルセウス流星群が極大になった際に当地を訪れましたが、筆者を含めて3〜4組しかいないという状況でした。高速道路のICからは少し遠く、東京から行くにはハードルが少し高いですが、ぜひともオススメしたいスポットです。 まとめ 今回は、撮影地の選び方と筆者のオススメ撮影地をご紹介しました。 どこで星空を撮ったらいいかわからないという方にこそ、ぜひこれらの撮影スポットから始めていただければ幸いです。 また、自分だけの撮影地を開拓したいという方にはぜひこれらのツールを活用しながら撮影地を探していただければと思います。 次回は、マップレンタルの機材を組み合わせて、実際に撮影に行った際の様子を紹介いたします。どうぞお楽しみに! -
2025.09.25 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座02】この夏は魅力的に星空を撮ってみませんか?~機材編~ こんにちは。 筆者は星景写真と呼ばれる、星をメインとした風景写真を撮るのが好きです。というのも、とある写真家の方の作品に出会い、彼に憧れ星景写真に目覚めて2022年冬から撮り続けてかれこれ3年が経過しました。 これから星空を撮ってみたいという方にも、今までも星空を撮ってきたけど、より魅力的に星空を撮れるようになりたいという方にも読んでいただきたい、筆者のハウツーをご紹介させていただきます。 必須な機材 まずは、「これだけあれば最低限星空を撮れる!」という機材をご紹介します。 1. カメラ 星景写真撮影はまずカメラがないと始まりません。どんなカメラでも星空を撮ることができますが、1画素あたりの光を取り入れる面積が大きいという意味では、できればフルサイズがおすすめです。画素数は2000~3000万画素程度がバランスが取れていて使いやすいという印象を受けました。 Nikonで言えばZ6III、SONYでいえばα7IIIがオススメです。 a.Nikon Z6III 2024年に登場した最新鋭のミドルクラスミラーレスカメラ。裏面積層型センサーを採用しており、常用でISO64000まで対応しているのが大きな特徴。 b.SONY α7III 2018年に登場したフルサイズミラーレスの名機。これより後に登場したミラーレスにも劣らない究極のバランス型選手。 もし明るいレンズをお持ちであれば、4000万画素以上の高画素機を使ってみるのも手ではないでしょうか。筆者はZ7II、Z8、Z9やα7RIVといった4000万画素以上の機材を星景写真に使ったことがありますが、どのカメラも非常に優秀だと感じました。 2. レンズ これもないと始まりません。どのような写真を撮るかにもよりますが、超広角~広角レンズが星景写真には使いやすいです。焦点距離的には概ね約16~35mm程度(その理由は「その3 -実践編-」にて説明いたします)が撮りやすいのではないでしょうか。F値は明るければ明るいほどいいです。もちろん明るいレンズを用意できれば一番良いですが、F4程度のレンズでも問題はありません。 筆者が使ったことのある、おすすめのレンズを3つ紹介します。 a. Nikon NIKKOR Z 20mm f/1.8 S (Nikon Zf + Z 20mm f/1.8S SS13秒 F1.8 ISO3200 Mモード Lightroom Classicで現像済み) 筆者が一番おすすめなのが、この20mm単焦点です。私物として愛用しているレンズの一つです。 周辺まで点像が綺麗に写る(=彗星の尾のように滲まないという性能も星景写真用レンズでは重視されます)というレンズ自体の性能もさることながら、レンズが軽く取り回しやすいことに加え、市場に出回る多くのレンズが採用している77mm径のフィルターが使いまわせるのがメインの魅力です。星空写真ではソフトフィルターや光害カットフィルター(後述します)を使われたいという方も多くいらっしゃるかと思いますので、そういったフィルターを(比較的)安価な77mmで使えるのは魅力ではないでしょうか。20mmという焦点距離も、広すぎず狭すぎず非常に使いやすいです。 b. SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art (SONY α7RIV + SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art SS15秒 F1.4 ISO1600 WB4050K Mモード) ニコンZマウント使いの筆者がSONY・SIGMA・LUMIXが羨ましくなる瞬間が訪れるのが、このレンズを使った時です。 F1.4でこれが撮れるのか、と驚嘆した覚えがあります。 シャッタースピードを稼ぐことができる画角の広さと明るさと解像感を両立していました。このレンズに出会ったのはもう1年も前のことですが、未だにあの時の衝撃は忘れられません。また、レンズヒーターが付けやすい、マニュアルフォーカスをロックできるといった星景撮影に適した仕様になっているのも特徴です。しかしながらこのレンズ、保護フィルターをつけられないので前玉が剥き出し(「出目金」)になってしまうため、使用時・収納時に若干気を使う必要があります。前側にフィルターをつけられないというデメリットを抜きにしても、試す価値はあります。 c. Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED (Nikon D4S + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED SS20秒 F2.8 ISO3200 WB3950K Mモード) 2007年の登場と、上2つに比べると若干の古さは否めませんが、「不朽の名作」と言っても過言ではないレンズです。絞り開放であっても周辺の収差がほとんど気にならないことや、解像度が高いのが大きな魅力です。強いていうならば、SIGMAの14mm同様に前玉が剥き出しの「出目金」なので、若干使用時に注意が必要です。 3. 三脚 星景写真に絶対に欠かせないのは三脚です。十数秒~数十秒の長時間露光が必要となってくるため、基本的に手持ちでそこまでの長時間撮影をすることは不可能に近いです。しかしながら、三脚も選び方がわからない…という方が多いのではないでしょうか。そこでどんなカメラでも使える万能三脚を一つご紹介させていただきます。 Leofoto LS-284CEX+LH-36LR この三脚の魅力はカーボン製なので軽いことに加え、レベリングベースが付いているので水平が取りやすいことに加え、耐荷重が10kgなので大抵の機材を載せても安定するということです。また、冬場は三脚を触る手が冷たくなりますが、カーボン三脚はアルミ三脚に比べてそこまで冷たくないのが魅力です。雲台もアルカスイス互換のため、前述したSIGMAの14mmをはじめとした、三脚座がついた大型広角レンズはプレートを介さずとも直接装着ができます。 4. 予備用バッテリー 星景写真は長時間シャッターを開けることが多い都合上、必然的にバッテリーの減りも早くなります。よって、いつバッテリーが無くなってもおかしくない状況です。バッテリーのパフォーマンスが落ちる夏以外の寒い季節であれば尚更です。バッテリーグリップのオプションがあるカメラであれば、バッテリー交換の手間が減るのでそちらもおすすめです。カメラボディがUSB給電対応のカメラであれば(ご紹介した2機種はどちらも対応しています)、ケーブルを介してモバイルバッテリーを繋ぐのも一つの選択肢ではないでしょうか。1つと言わず、2つくらいあれば心理的に安心です。 あると便利な機材 1. フィルター類 普通にフィルターを付けない「素」の状態でも十分魅力的に写真を撮ることはできますが、フィルターを付けた方がより魅力的に撮影することができます。 例えばこの一枚。 (SONY α7RIV + SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art SS8秒 F1.4 ISO3200 WB4050K Mモード ソフトフィルター・光害カットフィルター装着) ソフトフィルターと光害カットフィルターを同時に装着しています。天の川とさそり座が際立って見えるのがお分かりいただけるかと思います。その一方で、フィルターを付けすぎるのは画質悪化を招きますので、強い光源(街灯・月明かりなど)がある場所ではフィルターをあまり付けないのが賢明ではないでしょうか。 当社でも最近星景撮影に適したフィルターの取り扱いを始めました。購入に二の足を踏まれている方はまずレンタルからお試しいただく、というのも選択肢としてはあるのではないでしょうか。 2. リモートレリーズ 星という点像を映す星景写真にとって、ブレは大敵です。場合によってはシャッターボタンを押すという動き自体がブレにつながってしまうこともあります。 (SONY α7SIII + FE 35mm F1.4 GM SS4秒 F1.4 ISO12800 WB4750K Mモード ソフトフィルター・光害カットフィルター装着) 例えばこの写真。シャッターボタンを押したことによって微妙にブレが生じてしまっています。そんな場合にオススメできるのがリモートレリーズです。有線でカメラに接続し、リモコンとしてシャッターボタンの動きをコントロールできるのが大きな特徴です。カメラによって端子の形状は異なります(筆者が愛用しているNikon Zfのようにそもそも接続できないカメラもあります)ので、借りられる前にご確認ください。 SnapBridgeなどといった無線で接続するアプリで代用できないこともないですが、無線接続はバッテリーの消費を早めるのであまりおすすめできません。最悪リモートレリーズが繋げられないカメラという場合、セルフタイマーでも代用可能です。 3. レンズヒーター+モバイルバッテリー 冬場はあまり気になりませんが、春から秋にかけて露点が高くなると、レンズの前玉が曇ってしまい、せっかくの写真が台無しになった…という経験が少なくとも筆者はあります。露点以上にレンズの温度を保つことで、レンズの曇りを防止してくれます。タイムラプス撮影などの長時間撮影に有用です。 筆者個人所有のレンズヒーターと、当社のSIGMAレンズです。「カイロで代用できないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、結論から言うと代用は不可能です。カイロ二つをテープでレンズに巻きつけ、一度試したことがありますが、3月の山梨の低温の前には歯が立ちませんでした。 4. ヘッドランプ ヘッドランプも、持ってて損はないかと思います。「スマホの懐中電灯で代用できないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、スマホを持っていると片手が塞がってしまいます。そんな状況で、ヘッドランプで手元を明るく照らしつつ両手がフリーになるというのは大きな価値があります。ただ、他の撮影者の方がいらっしゃるところでは、映り込みやトラブル防止のため、無闇矢鱈にライトを照らさないことをオススメします。 5. 防寒具・服装 星空を綺麗に撮ることができる地点の多くは標高が高いですので、必然的に都心部に比べると気温が低いです。筆者が訪問した群馬県嬬恋村では3月でも-10°Cと、かなりの寒さでした。ダウンジャケット、あったかいインナー、ネックウォーマー、帽子、手袋、カイロは必需品ではないでしょうか。もちろん、場所によって差異はありますので、天気予報をよく確かめてから訪問されるのが一番いいかと思います。 6. パーマセルテープ 上の5つのアイテムと比べると優先度は低いですが、何かと役立つのがパーマセルテープです。プロの間でよく使われています。主に、反射防止や防犯を目的にカメラ前面の刻印を隠したり、アクセサリーを固定したりといった用途で使われます。 星景写真で使える用途としては、フォーカスリングの固定やレンズヒーターのモバイルバッテリーの固定に有用です。 また、筆者自身の経験として役立ったのは、撮影地でナットロック式の三脚内部の部品が故障した際にパイプとナットロックの上から巻きつけ、なんとか固定して使用した経験があります(写真歴10年の筆者個人が個人の責任の元で行った経験です。真似されて機材に損害が出ても筆者と当社は責任を負えません)。 また、手袋に穴が空いた際にもパーマセルテープで塞いだことがあります。 1本2000円台とお高めですが、持っておいて損はないでしょう。 まとめ 今回は、初めて星空を撮る方や星空撮影をステップアップさせたい方がどのような機材を揃えたらいいかを紹介させていただきました。多くの商品はマップレンタルでも取り揃えていますので、まず一回借りてみて試してみる、というスタイルもありなのではないでしょうか? 次回はロケーション選び編と題しまして、撮影する時期やロケーションの選び方を紹介させていただきます。次回もお楽しみに! オススメの機材 先ほどオススメした機材から、マップレンタルで取り扱っている機材を紹介いたします。 商品名のリンクから各商品のページに移動できますので、ぜひご利用ください。 ボディ 【Nikon Z6III】- 2024年に登場した最新鋭のミドルクラスミラーレスカメラ。裏面積層型センサーを採用しており、常用でISO64000まで対応しているのが大きな特徴。 【SONY α7III】- 2018年に登場したフルサイズミラーレスの名機。これより後に登場したミラーレスにも劣らない究極のバランス型選手。 レンズ 【Nikon NIKKOR Z 20mm f/1.8 S】- Nikon屈指の広角単焦点レンズ。絞り開放から使える点像再現性と高い解像度を実現。 【SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art(ソニーEマウント)】- 14mmという広さでF1.4の明るさを実現した驚異のレンズ。 【Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED】- 2007年と登場は古いものの、現在も製造中の不朽の名機。Fマウントユーザーならこれ一択。 三脚 【Leofoto LS-284CEX+LH-36LR】 リモートレリーズ 【Nikon MC-DC2】 【SONY RM-VPR1】 予備用バッテリー 【Nikon EN-EL15c】 【SONY NP-FZ100】 フィルター 【マルミ光機 マグネットスリム 星景キット(67mm / 77mm / 82mm)】 -
2025.09.18 中級者向けカメラ講座【中級者向けカメラ講座01】飛行機撮影の魅力とテクニック こんにちは。 「中級者向けカメラ講座」第一弾は、飛行機撮影の魅力とテクニックを紹介させていただきます。飛行機を撮ったことがないという方も、飛行機撮影を一段レベルアップさせてみたいという方にも、ぜひ読んでいただきたいです。キャプションに撮影地を載せていますので、よかったら参考にしていただけると幸いです。 どの状態の飛行機を撮るか? 1.停止時・地上走行時 飛行機がゲートに停まっている際や、ゲートから滑走路に向けて地上走行をしている際の写真は、割と撮りやすい部類に入るのではないでしょうか。ゲートに停まっている飛行機をただ撮っても面白みに欠けるので、コックピットやエンジン、胴体といったパーツごとに切り取って撮影するのがオススメです。 @羽田空港 第2ターミナル展望デッキ (Nikon D750 + SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 1/1600s F18 ISO400 Mモード Lightroom Classicにて現像) 現像時に白黒にしてコントラストを高めてみました。胴体表面のリベットなどの質感が際立っています。 @羽田空港 第3ターミナル展望デッキ (Nikon D750 + SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 1/40s F2.8 ISO6400 Mモード Lightroom Classicにて現像) ゲートを出て、滑走路に向かうシンガポール航空の777-300ERを撮影しました。停まっているかスピードが遅いので、飛行機をカメラで追いやすく、構図が狂うことがないので、まずは地上を走行している飛行機を撮ることがおすすめです。チャンスを逃すことも少ないように思います。 2.離陸時 離陸時のワクワク感、躍動感を写真に納めるのは飛行機撮影の醍醐味です。ただ、飛行機は250-300km/hと新幹線とほぼ同じ速さで離陸するので、カメラで追いにくく、地上走行時に比べて難易度が高いです。 具体的には、低いスピードで地上を走っている際からファインダーを覗きながら飛行機を追いかけ、離陸する瞬間に連写して捉えるのがおすすめです。 @羽田空港 第2ターミナル展望デッキ (Nikon D750 + SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 1/2000s F5 ISO200 Sモード Lightroom Classicにて現像・トリミング) ゲートブリッジを背景に入れてみました。 第2ターミナルから撮ると、背景に東京のアイコニックな建築物を写すこともできます。それらと絡めて撮影してみるのもどうでしょうか? 3.着陸時 (Nikon D4S + SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 1/30s F4.5 ISO200 Sモード Lightroom Classicにて現像・トリミング) (Nikon D4S + SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 1/30s F4 ISO400 Sモード Lightroom Classicにて現像) 着陸滑走時の飛行機もなかなか被写体としてサマになるのではないでしょうか。 上の2枚は雨の日に撮影したので、スラストリバーサー(エンジンの逆噴射)が滑走路面の水溜まりを巻き上げ、水飛沫になっているのと、滑走路面にうっすら反射しているのがわかります。羽田空港第1ターミナルの展望デッキには屋根がある部分もありますので、雨の日だからと怯むことなくぜひ試していただきたいです。 4.飛行中の姿 飛行中の姿はやや難易度が高いですが、撮れた際の達成感は大きなものがあります。600mm以上の焦点距離が長いレンズが前提となってくるため、初心者にはやや厳しいかもしれません。 しかし、マップレンタルでは600mm以上の長いレンズも、マウントを問わず豊富に取り揃えています。 @城南島海浜公園(大田区) (Canon EOS R5 MarkII + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM 1/1000s F5.6 ISO200 Tvモード) @中央防波堤(大田区) (Canon EOS R5 MarkII + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + エクステンダーRF2x 1/2000s F14 ISO1250 Tvモード) @中央防波堤(大田区) (Canon EOS R5 MarkII + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + エクステンダーRF2x 1/2000s F13 ISO1000 Tvモード) 上の3枚はEOS R5 Mark IIとRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、2枚目と3枚目はそれに加えてRF2×エクステンダー(テレコン)を装着し、800-1000mmほどのレンジで撮影しました。たまたま撮影に行った日の天候と光線状態があまり良くなかったというのもありますが、晴れた日には真っ青な空をバックに旋回する飛行機を撮ることができます。 @城南島海浜公園(大田区) (Canon EOS R5 MarkII + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + エクステンダーRF2x 1/500s F7.1 ISO800 Avモード) こんな感じで、飛行機メインではないですが空の写真のアクセントとして離陸する機体を入れました。 5.夜の撮影 飛行機撮影は夜が一番楽しいのではないかと筆者は思っています。 滑走路の光や飛行機自体の光、背景となる都市の夜景がマッチして、日中とは異なる雰囲気を醸し出してくれます。 @羽田空港 第1ターミナル 展望デッキ (Nikon Z8 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 1/13s F5.6 ISO10000 Mモード) @羽田空港 第1ターミナル 展望デッキ (Nikon Z8 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 1/13s F8 ISO12800 Mモード) 夜の撮影は暗いのではないか?と思われる方も多くいらっしゃるかと思いますが、最近のカメラの高感度性能は比較的高いので、ISO12800程度でも画質の破綻が少なく、十分作品作りができます。昼間とは一風変わった世界の撮影をぜひ楽しんでみませんか? 飛行機撮影に使えるテクニック それでは、飛行機撮影に使えるテクニックをいくつか紹介いたします。 1.流し撮り 流し撮りをすることによって、飛行機の持つ疾走感を強調することができます。 1/30s以下のシャッタースピードに設定し撮影をすることによって、飛行機はブレないものの背景はブレて、不思議な感じを演出することができます。 具体的には、飛行機を追いかけながら撮影することで、前述のような効果を生み出します。 @羽田空港 第1ターミナル 展望デッキ (Nikon Z8 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 1/6s F5 ISO3200 Mモード Lightroom Classicにてトリミング) 1/6秒のシャッタースピードで撮影しました。これくらいのシャッタースピードだと滑走路のライトがレーザービームのように伸び、不思議な雰囲気を演出してくれます。 2.望遠圧縮 超望遠で圧縮効果を持たせることで、普段の飛行機とは異なった印象を与えることができます。 @城南島海浜公園(大田区) (Nikon Z6III + NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR 1/1600s f/13 ISO1250 Sモード) @羽田イノベーションシティ(大田区) (Nikon Z6III + NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR 1/1600s f/6 ISO200 Sモード) 普通に飛行機を撮るよりもダイナミックに、まるで飛行機雑誌に登場する作品かのような構図で撮影することができます。ちょっと特殊な構図ではありますが、600mm以上の望遠レンズをお持ちであればぜひお試しいただきたい構図です。 飛行機撮影におすすめの機材 飛行機撮影におすすめの機材を紹介いたします。 1.【 Nikon Z50II ダブルズームキット 】 まずはここから。飛行機を全く撮ったことのない初心者の方におすすめです。付属する50-250mmレンズのズームレンジはフルサイズ換算75-375mmと、大抵の飛行機であれば容易に撮ることができるレンジを持ちます。加えて、搭載されているEXPEED7プロセッサは最新型であり、フラッグシップ機Z9と同等のAF性能を持ちます。強いての欠点を挙げるなら、電池持ちがあまり良くないのですが、USB-C給電にも対応しているので、モバイルバッテリーで充電しながら撮影が可能です。 2.【 Nikon Z8 / NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR レンズセット 】 これさえあればほぼなんでも撮れる、完全無欠のセットではないでしょうか。筆者はZ8と180-600mmのどちらも試したことがあるのですが、高いポテンシャルを感じました。 Z8はZ9とほぼ同じ性能を持ちながら重さと大きさを抑え、普段使いにもギリギリ使えるサイズを保ちました。180-600mmは先代と言える200-500mmから大きな軽量化を果たし、撮った際の疲労感が少なくなりました。高級ラインのS-Lineに属するレンズではありませんが、AF性能も描写力も非常に良く、テレコンを組み合わせた撮影にも向いています。ぜひお試しください。 まとめ 飛行機が好きな一ユーザーが飛行機撮影のハウツーをわかりやすく簡単にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか? これを機に、飛行機を撮ったことないという方にもぜひチャレンジしていただきたいです。 -
2025.01.08 カメラの基礎知識【初心者でも分かるカメラの基礎知識17】謎のシマ模様!室内撮影の大敵「フリッカー現象」の対処法 突然ですが、写真を撮っていてこんな現象に出会ったことはありませんか? 蛍光灯下でマグカップを撮影 写真全体に濃い縞模様が入ってしまっています。 これは一般的に「フリッカー現象」と呼ばれるもので、ある特定の条件下で発生してしまいます。カメラの故障ではありません。 対処法を知っていれば防ぐことができますので、解説していきます。 フリッカー現象とは? 普段私達が何気なく見ている照明は、常時光っているように見えますが、実は目に見えない速さで明滅を繰り返しています。 フリッカー現象は、照明の周波数の影響で起こる現象です。 フリッカーが起こりやすい照明は ・蛍光灯 ・LED ・プロジェクター などがあります。 バスの行き先表示に黒い縞模様が入っています。これもフリッカーの一種です。 対処法①メカシャッターで撮影する シャッターには「メカシャッター」と「電子シャッター」の2種類の機構があります。 「メカシャッター」とは、カメラ内で物理的に作動するシャッターです。 シャッターボタンを押した時に「カシャッ!」と音が鳴り、手に振動を感じた経験があるかと思いますが、あの瞬間にカメラ内ではシャッター幕が開閉し写真が撮影されています。 一方「電子シャッター」はその名の通りデジタルで処理されるシャッターで、カメラ内のシャッター幕は作動しません。 いわゆるシャッター音が鳴らない「サイレントモード」と呼ばれるものは電子シャッターです。 シャッターのシステム上、電子シャッターでフリッカー現象が起こりやすく、メカシャッターで撮影すれば解消、または軽減される事が多いです。 蛍光灯下で、電子シャッターとメカシャッター、同じシャッタースピードで撮影しました。 電子シャッターで撮影、シャッタースピード1/640 メカシャッターで撮影、シャッタースピード1/640 では、シャッター音を鳴らしたくない場合や、メカシャッターでもフリッカーが解消されない場合はどうすればいいのでしょうか。 対処法②シャッタースピードを調整する こちらは蛍光灯がフリッカーの原因になっている場合に有効な手段です。 先ほど、照明は目に見えない速さで明滅していると説明しましたが、その回数は1秒間あたり関東では100回、関西では120回といわれています。 なので、シャッタースピードを関東では1/100、関西では1/120の倍数にするとフリッカーが低減します。 シャッタースピード1/100、電子シャッターで撮影 基本的にシャッタースピードを上げれば上げるほどフリッカーが濃く入ります。 電子シャッターのまま撮影したい場合や、メカシャッターでもフリッカーが解消されない場合はシャッタースピードを変えてみましょう。 他にも対処法があるのでご紹介します。 対処法③フリッカーレス機能のあるカメラを使う 一部のミラーレス機にはフリッカー低減機能がついています。 Nikonでは以下の機種が対応しています。 https://search.nikon-image.com/faq/products/article?articleNo=000060992 このフリッカー低減機能は、蛍光灯などの100Hz/120Hzで明滅する光源にしか効果がありません。 なのでLEDなど高周波のフリッカーには「高周波フリッカー低減機能」を使いましょう。 シャッタースピードを細かく調整し、フリッカーの周期とぴったりと合わせることで、フリッカーの影響を低減させる機能です。 電光掲示板などを撮影する時にも有効です。 NikonではZ9/Z8/Z6 III/Zfが対応しています。 SONY、Canonなどでも同様の機能があるので、お使いのメーカーで調べてみましょう。 ※フリッカー低減機能を使うと、レリーズ速度や、連射速度に影響が出る場合があります。 ちなみに… ちなみにマップレンタルでは、フリッカーレス性能に優れたLEDの取り扱いがございます。 スチル・動画撮影にLEDを使いたい方はぜひご検討下さい。 JINBEI EFD-60BI まとめ 今回はフリッカー現象の対処法についてご紹介しました。 フリッカーを低減させるためには ・メカシャッターを使う ・シャッタースピードを調整する ・カメラのフリッカー低減機能を使う 以上が有効な対処法です。 スポーツや舞台撮影など、場合によって適した対処法が異なりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。 -
2025.01.08 カメラの基礎知識【初心者でも分かるカメラの基礎知識16】RAW現像で広がる写真の世界 皆さんは「RAW現像」という言葉をご存知でしょうか? カメラで撮影できるファイル形式に「JPEG」と「RAW」があります。 JPEG形式はカメラ内の処理を経て圧縮されているデータで、高画質でファイルサイズも軽い、という特徴があります。 それに対しRAWは「生の」または「加工されていない」という意味です。 写真撮影におけるRAWはカメラのセンサーが受け取った色データを圧縮せずに保存するファイル形式です。 後からの編集がしやすいという特徴がある反面、画像として扱うことはできず「Lightroom」や「Photoshop」などの編集ソフトが必要です。 そうした撮影後の色編集を「RAW現像」と呼びます。 RAWがネガ、JPGが写真、のようにイメージするとわかりやすいかもしれません。 データが圧縮されていないので、ファイルサイズが重くなる反面、色温度や露光量などをある程度自由に編集できます。 RAWで撮影すれば、作品として写真を作り込むことが可能になります。 いくつかRAW現像の作例をご紹介します。 レインボーブリッジを撮影した写真 RAW現像後 お台場の夜景がよりキラキラ輝いて見えます 東京・浅草寺 RAW現像後 浅草寺が際立つように赤と青のトーンを意識しました 小田急線ホームを撮影 RAW現像後 パキッとイラストのように仕上げました 新潟県・彌彦神社 玉の橋 RAW現像後 赤と緑を鮮やかに、周辺の明度を少し落としています。 ■RAW現像での編集工程 使うソフトによって詳細や形式は異なりますが、主なパラメータ項目を説明していきます。 Lightroomの編集画面 現像でこの画像はどんな風に変わるのでしょうか? ●ライト ・露光量:写真の明るさを調整します。 ・コントラスト:画像の明るい部分と暗い部分の差を調整します。 ・ハイライト/シャドウ:画像の明るい部分/暗い部分を調整します。 ・白レベル/黒レベル:画像の最も明るい部分/暗い部分を調整します。 露光量をプラスし、画像が明るくなりました。上げすぎるとノイズが乗るので注意 ●カーブ カラーカーブで色調を補正できます。 S字にカーブを曲げるとコントラストが強く(明るい部分はもっと明るく、暗い部分はもっと暗く)なります。 ●カラー 色温度、色かぶり補正、彩度を調整できます。 色温度を3300K→5400Kに変更、青みが強かったので黄色を足しました。自然な彩度も少し上げています。 ●カラーミキサー 個別で色の色相・彩度(鮮やかさ)・輝度(明るさ)を調整できます。 空の青だけ鮮やかにする、花のピンク色を少しだけ暗くする…などの使い方ができます。 ブルーの彩度を下げた写真。 ブルーの色相をグリーンに振った写真。ここまで色を自由に編集できるのはRAWならでは ●カラーグレーディング ハイライト・中間調・シャドウに混ぜる色を設定できます。 映画やフィルムのようなトーンを作る時に役立ちます。 シャドウに青、ハイライトに黄色を入れています。 などなど、各パラメータを調整しながら作りたいイメージに近づけていきます。 撮影後の融通が利くので、予期しない白飛びや、照明の色かぶりを直すときにも便利です。 一眼ミラーレスは、撮って出しでも十分綺麗な写真が撮れます。 ですが、そこにもうひと工夫。RAW現像をやってみることで写真の世界が広がります。 ぜひお試し下さい。