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  5. 【中級者向けカメラ講座07】多ければいいってもんじゃない?画素数のハナシ〜低画素機編〜

MEDIA メディア

2025.11.06 中級者向けカメラ講座

【中級者向けカメラ講座07】多ければいいってもんじゃない?画素数のハナシ〜低画素機編〜


こんにちは。


カメラ好きの間でよく言われる言説に、「高画素機の方が写りが良い」というものがあります。
しかしながら、それは本当なのでしょうか?



では、こちらの2枚の写真をご覧ください。



(1/320秒 F9.0 ISO100)




(1/60秒 F9.0 ISO125)



こちらの2枚の写真は、画素数に倍以上の違いがあるNikon Zf(2528万画素)とSONY α7CR(約6250万画素)で撮影したものですが、見てどちらがどちらかわかる方はあまりいないのではないでしょうか。


正解は上の並木がZfで、下の銀杏がα7CRです。



今回の記事では低画素機に焦点を当て、メリット・デメリットについてまとめた上で、どのような用途に適しているのか解説していきます。




低画素機で撮るメリット・デメリット


メリットその1:高感度に強い

低画素機は1画素あたりの面積、すなわち光を取り入れる面積が広いので、相対的に高感度に強いと言えます。


例えばこちらの写真。



(Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 1/160秒 F5.6 ISO40000 Mモード)



Nikon Z6IIIで撮影したものです。
ISO40000で撮影していますが、ディテールの破綻があまり見られません。

Z6IIIは約2400万画素の低画素機ですが、常用ISO感度がISO100-64000、拡張でISO50-204800相当まで使用することができます。

普通に撮影する分にはISO6400を超えることはあまりないかと思いますが、いざというときに高感度も使えるのは心強いですし、夜の撮影も積極的にこなしたいと思えるようになるのではないでしょうか。



メリットその2:ファイルサイズが小さいので扱いやすい

画素数が少ないということは、ファイル内の情報量も少ないということになります。ということはファイルサイズが軽くなります。
参考までに、先ほどご紹介した電車の画像はJPEG・FINEで撮影しましたが、ファイルサイズは11.2MBとなりました。



(Nikon Z6III + NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR 1/1600秒 F5.6 ISO400 Sモード)



こちらの写真もZ6III(約2400万画素)で撮影しましたが、元画像のRAWファイルであっても16.1MBにとどまりました。
2000〜3000万画素程度の機種であれば、RAWであっても20MBは超えないといったレベルになります。

仮に年間20000枚撮影したとしても、最大20MB x 20000枚であれば年間の写真のデータ量は400000MB = 400GB = 0.4TBにとどまります。
加えて、1枚あたりのファイルサイズが軽いので、現像ソフトなどのソフトウェアの処理にあまり時間がかからないのも魅力です。

速度が速いSDカードや容量が大きいSSD・HDD、優れた性能を持つGPUや大容量メモリのパソコンでなくとも、気軽にたくさん撮れるのは低画素機のメリットと言えるでしょう。

ちなみに筆者は現在Nikon Zfを愛用しながらスナップや風景写真を撮影しているのですが、画素数の低さからくるデータの軽さはとても扱いやすいと感じています。




デメリットその1:大判印刷に向かない

画素数が少ないということは、インチあたりのドット数(dpi)も少なくなります。よって必然的に大判印刷には向きません。
A3・A2程度でしたら全く問題ないのですが、広告写真などの分野となるとA1・A0といったサイズで印刷する機会も多くなります。
そういったシチュエーションでは、低画素機の画素数の少なさがネックとなってしまいます。

ただ、アマチュアでそこまで大判印刷する機会もあまりないかもしれません。



デメリットその2:トリミング耐性が低い

上記で大判印刷に向かないという話をしましたが、それに関連して、トリミング耐性が低いという問題もあります。

例として、ニコンのミドルクラスフルサイズミラーレスのZ6IIIで例えてみましょう。
焦点距離1.5倍のDXクロップ(APS-C相当)で撮影した場合、画素数は約2400万画素から約1060万画素まで落ちます。
1060万画素だと、SNSやブログなどのWebにアップするには向いているかもしれませんが、大判印刷には少々難があるように思います。
サイズ的にはA3・A2が限度といったところでしょうか。




低画素機が有利なシチュエーション


1. 星景写真

星景写真は暗所で長時間露光を行い、比較的ノイズが出やすいことから、高感度に強い低画素機のメリットが活きます。



(Nikon D4S + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8 20秒 F2.5 ISO3200 Mモード Lightroom Classicにて現像済み)



こちらの天の川の写真は以前筆者が所有していたNikon D4S(約1600万画素)で撮影しましたが、ノイズがさほど目立ちません。

実際、SONY α7SIIIのような高感度に特化した機材がよく使われるジャンルでもあります。



2. ポートレート

ポートレートでは、低画素機の魅力を最大限活用できるといっても過言ではありません。
画素数の少なさは程よいディテールに直結します。モデルさん・被写体さんの中には、毛穴や肌荒れなどを気にして肌のディテールが写りすぎることを好まれない方も多くいらっしゃるので、低画素機はまさにうってつけです。




まとめ

「画素数が低い = 高画素機に比べて劣る」といった先入観を持たれる方も多いかと思われます。でも、実はそうとは限りません。
実際には用途に合わせて使い分けることで、それぞれのカメラの持つメリットを最大限に活かすことができます。


次回は高画素機の持つメリット・デメリットをご紹介できればと思います。お楽しみに。

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