こんにちは。
前回に引き続き、今回はロケーション編と称して、東京近郊の星空撮影に適したロケーションを紹介しつつ、新たに撮影地を開拓したいという方にオススメの撮影地の探し方をご紹介します。
撮影地探しのコツ
撮影地探しのコツとしては、
①光害が少ない
②標高が高い
③空が開けている
④天候が優れている
という条件が大事になってきます。
① 光害が少ない
撮りたいロケーションの光害の具合は、【Light Pollution Map】から確認できます。
東京から少し離れるだけで、黄色〜緑(赤、白に行くほど光害がひどい)の撮影地に巡り合うことができます。東京都心では星空観測すら難しいですが、光害レベルが黄色〜緑になってくるだけでもだいぶ違います。筆者は東京近辺の山梨、千葉、群馬といったところに撮影に行くことが多いのですが、それらの地点も黄色〜緑ですが、そこそこのクォリティのものは撮影できます。
② 標高が高い
標高が高いほど空が澄んでいることから、星空観察・撮影にはうってつけの環境となります。
そのことから、必然的に高原や山の上、展望台といったところが好まれます。
③ 空が開けている
空を撮る都合上、空が開けていなければいけません。
前述したように、空が開けているためには、高いところで撮る、遮るものが少ないところで撮る、といったところが重要になってきます。
前述しましたが、高原や山の上、展望台といったところはうってつけなのではないでしょうか。
④ 天候が優れている
天候が優れていなければ、ロケーションが良くても何も撮れません。
天候を調べるのにおすすめなアプリ・サイトを2つ紹介します。
1.【SCW】
SCWはスーパーコンピューターで予想したモデルを用いる天気予報です。パソコンからでもスマホからでもアクセスできます。
見方としては、右側の「太陽と雲」のアイコンを選択することで、雲の状況をわかりやすく見ることができます。白が濃いほど雲が厚く、黒が濃いほど晴れているという仕組みになります。色がついている箇所は雨雲です。
ちなみに筆者は有料会員(月308円)を契約し、より詳細な天気予報を確認できるようにしています。かれこれ2年ほど愛用していますが、外れたことがほとんどない優秀な天気予報サイトです。
2.【Windy】
Windyは天気を確認することができるスマホアプリです。とある写真家のセミナーに参加した際に教えていただいたものです。
アプリを開いてから右の3本線メニューをタップし、「雲」を選択すると、どの程度雲が被っているかがわかります。少し慣れるのに時間がかかりますが、黄色が濃いほど雲が少なく、白色が濃いほど雲が多いです。
また、スクショを記録した日は小雨が降っていたので、青のメッシュに覆われていました。
オススメ撮影地
では、筆者がオススメする撮影地をいくつかご紹介します。
1. 【 第二五之町踏切(千葉県いすみ市)】

(Nikon Zf + Z 20mm f/1.8S SS13秒 F1.8 ISO3200 Mモード Lightroom Classicで現像済み)
光害の少なさ:★★★☆☆
標高の高さ:★☆☆☆☆
空の開き具合:★★★☆☆
便利さ:★★★★★(近くにコンビニあり)
アクセスのしやすさ:★★★★★(圏央道 市原鶴舞ICから約17km)
総合オススメ度:★★★★☆
オススメシーズン:7月〜9月
いすみ鉄道の踏切と組み合わせた構図を楽しめるのがこの「第二五之町踏切」です。集落が近くにあることからやや光害があるのは否めないものの、星や天の川を撮るのには十分な暗さです。
いすみ鉄道が脱線事故の影響で長期運休しているので、星空と列車を絡めた構図はしばらくは撮影することはできませんが、踏切と星空という組み合わせは趣があるものと言えるでしょう。
高速のインターチェンジから比較的近いのも魅力ではないでしょうか?
2. 【 八幡岬公園(千葉県勝浦市)】

光害の少なさ:★★★☆☆
標高の高さ:★☆☆☆☆
空の開き具合:★★★★☆
便利さ:★★★★☆(公園内にトイレあり)
アクセスのしやすさ:★★★★☆(圏央道 市原鶴舞ICから約33km)
総合オススメ度:★★★★☆
オススメシーズン:7月〜9月
第二五之町踏切に続いて、千葉県からご紹介するのがこちらの「八幡岬公園」です。
勝浦市に所在するこちらは、アクセスの良さもさることながら、東・西・南の三面が海に面しているので海の方角の星が綺麗に見られるという特徴があります。 東屋と海を交えた景色が撮れるのもオススメポイントです。
3. 【 稲取細野高原(静岡県東伊豆町)】

光害の少なさ:★★★★☆
標高の高さ:★★★☆☆
空の開き具合:★★★★☆
便利さ:★★★★☆(公園内にトイレあり)
アクセスのしやすさ:★☆☆☆☆(小田原厚木道路 小田原西ICから80km)
総合オススメ度:★★★★☆
オススメシーズン:7月〜9月
少し東京からは離れてしまいますが、東伊豆の稲取細野高原を紹介します。
当地は車でもアクセスしやすく、近隣にキャンプ場もある立地ですが、光害が少ないという好立地の割に何より人が少ないのが魅力的です。2024年8月にペルセウス流星群が極大になった際に当地を訪れましたが、筆者を含めて3〜4組しかいないという状況でした。高速道路のICからは少し遠く、東京から行くにはハードルが少し高いですが、ぜひともオススメしたいスポットです。
まとめ
今回は、撮影地の選び方と筆者のオススメ撮影地をご紹介しました。
どこで星空を撮ったらいいかわからないという方にこそ、ぜひこれらの撮影スポットから始めていただければ幸いです。
また、自分だけの撮影地を開拓したいという方にはぜひこれらのツールを活用しながら撮影地を探していただければと思います。
次回は、マップレンタルの機材を組み合わせて、実際に撮影に行った際の様子を紹介いたします。どうぞお楽しみに!