こんにちは。
筆者は幼少期から鉄道が好きで、今でも不定期で鉄道の撮影を行っています。
今回は、鉄道を10年間撮り続けてきた筆者だからこそ紹介できる、鉄道写真の撮り方を紹介いたします。
鉄道が好きな方も、そうでない方も、一回撮ってみればその魅力に取り憑かれることでしょう。
機材の選び方と設定
|機材
鉄道撮影には「高速性能に優れた機種」と「最大300mm程度の望遠レンズ」がオススメです。
今回の取材で主に使用した機材はこちら。
カメラ:SONY【α7R V】
レンズ:【FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS】
【FE 70-200mm F2.8 GM OSS II】
α7R VはAIプロセッシングユニットと被写体認識を搭載しているので、高速で走る列車を正確に捉えることができました。
その他のブランドでは、Nikonなら【Z6 III】、Canonなら【EOS R6 Mark III】をオススメします。
どちらも高速性能に特化したミドルクラス機であり、鉄道写真を撮るのにはうってつけでしょう。
ストレージに余裕がある方であれば、【Z8】や【EOS R5 Mark II】といった高画素機も良いですね。
|露出設定
モード設定は主にシャッター優先(S / Tv)に設定して撮ることが多いです。
列車は移動し続けているので、ブレないように1/500秒以上のシャッタースピードがオススメです。
絞り値は開放、ISOは日中であれば自動でも構いません。
夜やトンネル内のように、明るさが変化しない空間であればマニュアルで撮影するのも手です。

(SONY α7RV + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1/30秒 F14 ISO100 シャッター優先)
(@東急東横線 多摩川〜新丸子)
こちらは「YOKOHAMA NAVYBLUE」と呼ばれる濃紺色を纏った相鉄20000系を撮影したものですが、適正露出を確保するのにとても苦労しました。
この写真も前面には陽が当たっているのですが、側面には当たっておらず、背景と同化してしまっています。
鉄道車両は明るい色や銀色が多いので、このような例は特殊ですが、必要に応じて露出補正やマニュアル露出で調整しましょう。
鉄道写真で使える構図・技法
|編成写真
鉄道写真で王道と言われるスタイルの一つに、「編成写真」があります。
これは、1編成を先頭から最後尾まで丸ごとフレーム内に写す技法を言います。

(Nikon Z6III + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 1/640秒 F5.3 ISO1100)
(@小田急小田原線 豪徳寺)
こちらの写真は典型的な編成写真といえるでしょう。S字カーブを抜ける列車をホームから撮影しました。
10両編成が丸ごと写っています。

(SONY α7RV + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1/1600 F5.6 ISO640 シャッター優先)
(@東急田園都市線 二子新地)
この写真は側面がそこまで出ておらず、やや前面が強調された写真となっていますが、広い意味での編成写真と言えるかと思います。
陽が落ち始めてから撮影した写真なので、銀色の車体が夕陽に照らされて少しオレンジ色に傾いており、印象的な情景を醸し出しています。

(SONY α7RV + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1/500秒 F5.6 ISO400 シャッター優先)
(@東急田園都市線 二子新地)
反対側の線路を走行する大井町線の急行を捉えました。
カクカクとした意匠が特徴的な6000系はランボルギーニのようで写真映えしますね。
編成写真のポイントとしては、三分割構図の左側か右側に前面を配置し、そこから伸びるように側面を収めるのが基本となります。
前面1:側面1〜2くらいの比率で撮影するとバランスが良いのではないでしょうか。
|面縦
「面縦(めんたて)」とは、車両の先頭部を真ん中に持ってくる構図のことを言います。
編成写真とは異なり編成全体ではなく、先頭部を強調する構図です。

(SONY α7RV + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1/500秒 F5.6 ISO400 シャッター優先)
(@東急田園都市線 二子新地)
面縦の醍醐味としては、鉄道車両の「顔」である先頭部を真正面から撮影できるということです。
しかしながら「側面で魅せる」ことができないため、先頭に当たる太陽の角度などが割とシビアになってきます。
続いて、撮影難易度が比較的高い新幹線を紹介します。
これは新幹線を跨ぐ公道上から撮影しました。

(Nikon Z8 + NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S + Z TELECONVERTER TC-2.0x 1/640秒 F11 ISO800)
(@東海道新幹線 品川〜新横浜)
この写真のように、面縦と編成写真を組み合わせた亜種もあります。
この作例は800mmで撮影していますが、N700Sの16両編成・400mを先頭から最後部まで収めるにはこのくらい長めの望遠が必要となってきます。
難易度は上がりますが、その分撮り甲斐のある被写体と言えるでしょう。
|流し撮り
筆者が鉄道写真で一番好きな撮り方が流し撮りです。
列車に合わせてカメラを動かし、背景をブレさせる技法です。スピード感のある写真を撮影することができます。

(SONY α7RV + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1/30秒 F14 ISO100)
(@東急東横線多摩川〜新丸子)
二子玉川のビル街を背景に走る「SDGsトレイン」です。
流し撮りのコツとしては、1両目のみを撮影する際は先頭部を思いっきり切り取ってしまうか、後ろ側の台車まで入れることがポイントです。そうすることにより構図に安定感が出ます。

(SONY α7RV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 1/25秒 F7.1 ISO100)
(@東急東横線・目黒線 多摩川〜新丸子)
少し陽も落ち始め、夕陽が背景の住宅街に反射し印象的な情景を作り出しています。
このように、少し長めにとって、鉄道風景写真にしてみてもいいかもしれません。
|闇鉄
暗闇で撮る鉄道の写真、通称「闇鉄」をご紹介します。
「闇鉄」は夜間やトンネル内など、暗いシーンで鉄道写真を撮るスタイルです。
設定ですが、SSは1/125〜160秒、絞りはF2.8〜4、ISOは3200〜6400あたりを目安に調整するのがオススメです。
暗い環境ですので、高感度に強いカメラと70-200mm F2.8などの明るいレンズを使うのが良いでしょう。

(SONY α7RV + FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 1/160秒 F2.8 ISO6400)
(@総武快速線 馬喰町)
総武快速線はトンネル照明が少ないですが、列車のヘッドライトが明るく、トンネル壁面や線路が反射して独特な雰囲気を作り出すため、雰囲気がある写真を撮影するのに向いています。

(Nikon D750 + SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 1/200秒 F2.8 ISO10000 Lightroom Classicにて現像済み)
(@小田急小田原線 下北沢)
東京近郊で撮影の機会があれば、小田急線の近年地下化された区間が個人的にオススメです。
照明が比較的多く、車両の色や形がはっきりわかり、光の加減によって暗い空間に車両が浮き上がるようになっています。

(SONY α7RV + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1/125 F5.6 ISO6400)
(@東急大井町線 荏原町〜旗の台)
こちらは、踏切のライトに照らされた車両を撮影しました。
暗闇の中にステンレスの車体が浮き上がっているのがわかるかと思います。
このように、明るい中では撮影できない独特な魅力があります。
闇鉄ならではの楽しみ方もぜひ試していただきたいです。
注意点
ルールとマナーを守るのが大前提です。
ホームの柵やホームドアから乗り出す、黄色い点字ブロックを超える、フラッシュを焚くなどの行為は御法度です。
列車の運行を妨げないように、安全に気をつけて撮影をしましょう。
まとめ
鉄道写真は、機材選び・露出設定・構図の積み重ねで表現の幅が大きく広がります。
それぞれの技法には明確な狙いとコツがありますが、何よりも楽しむことが大切です。
ぜひ自分なりの視点で、列車が走る一瞬の魅力を写真に切り取ってみてください。
良い鉄道写真ライフを!


