こんにちは。
前回はロケーション編と題して、ロケーション探しのコツやおすすめの場所を紹介しました。
今回は実際に撮影を試してみましょう。
4月上旬に日光・戦場ヶ原で撮影を行った様子を振り返りながら、星空の撮り方を一つ一つ説明できればと思います。
使用した機材
使用した機材を紹介します。撮影は2台で行いました。
Nikon Z9 + NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

広角で星空と風景を合わせた写真を撮る目的で持ち出しました。当日は東京から車で向かったので、持ち運ぶことをあまり考えなくてもいい、少し重め・大きめの構成でチャレンジしてみました。
SONY α7SIII + FE 35mm F1.4 GM

やや標準気味に、天の川だけを強調して写す目的で持ち出しました。また、焦点距離が伸びることによって露光時間が確保できない(後述)ので、高感度に強いα7SIIIを試してみました。
撮り方のハウツー
では、撮り方をピント合わせ・構図・露出に分けて一つ一つ紹介していきます。
1.ピント合わせ
ピント合わせはマニュアルで行います。星空は暗すぎてオートフォーカスではピントが合わないのがその理由です。
ピント合わせにも少しコツがあります。
まずライブビューにしてから明るい星を拡大し、ピントリングを無限遠に回してから少し手前側に回し、星が一番小さくなったところで止めます。そうすることにより、星がピンボケになることなく写すことができます。
2.構図
縦構図か横構図かは、写したい星や天の川、星座に合わせて変えます。
星空の手前に地上の風景があると、星空の雄大さがより強調された写真を撮ることができます。
3.露出
撮影するモードはマニュアル(M)が有用です。シャッタースピードは暗い夜空ですので必然的に長めになってきます。
今まで知られてきた手法としては「500ルール」というものがあり、「500 ÷ レンズの焦点距離 = シャッタースピード」という式です。
ただ、地球から見ると星も低速ではありますが動いています。よって最近の高画素機だと星が線になって写ってしまうこともあるので(これは撮影してから気が付きました)、14mmなら20秒、20mmなら13秒、24mmなら10秒くらいで撮影するのがオススメです。
絞りは開放で撮影するか、周辺画質が気になる場合は1段程度絞ってみてもいいと思います。
ISO感度は現地の光の具合に応じて調節するのがオススメです。
筆者の場合は3200を基本に、暗くしたい際は1600程度、明るくしたい際は6400程度にまで上げています。8000以上に上げることは滅多にありません。
その他
撮影後の処理に時間がかかってしまうので、長時間ノイズ低減はあまりオススメしません。後から現像時に調節するのがいいでしょう。
ホワイトバランスや色味、ノイズ低減といった現像の際の利便性のために、JPEGではなくRAWで記録することをオススメします。
実際に撮ってみると…

(Nikon Z9 + Z 14-24mm f/2.8S SS30秒 F2.8 ISO3200 WB4050K Mモード)
実際に撮影したものがこちらです。NEFファイルをそのままLightroom Classicで出力しました。
工夫した点としては、明るく写るようにSSを少し長めに、天の川と山を絡めて撮るように横構図かつ空を広めにしました。
南東向きなので宇都宮方面の光害が少し気になりますが、撮って出しでもここまで撮ることができます。

ホワイトバランス・コントラスト・シャドウ・白レベル・明瞭度・かすみの除去をLightroom Classicで調整しました。
天の川がよりくっきり見え、市街地の光害が少し軽減され、背後の男体山と木橋、雪が残った地面の質感がよりわかりやすくなっています。
別アングルで撮影した写真も紹介します。

(SONY α7SIII + FE 35mm F1.4 GM SS8秒 F1.4 ISO2000 WB4750K Mモード ソフトフィルター・光害カットフィルター装着)
天の川を大写しにしたかったので、35mm単焦点で撮影しました。

こちらが現像したものです。
メーカーごとの色のクセでしょうか、少し青めに写っているのがわかるかと思います。
空の青さは個人の好みによるところもあるかと思いますので、適宜後から現像するのがオススメです。
筆者は赤道儀を持っておらず、1枚撮りが基本となるのでこのような撮り方をよく行っています
まとめ
アウトドアシーズンの夏が近づくにつれて、星空撮影にチャレンジしてみたいという方に向けて機材編・ロケーション編・実践編と3回に分けてオススメさせていただきました。
これを機にぜひマップレンタルの機材とともに、星空撮影をお試しください!
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